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新型コロナで医院を閉める!? その判断基準は?

自分が感染・スタッフが感染・家族が感染・患者さんが感染・患者さんが激減!さあどうする!?

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Written by
鶴岡 克人

 

4月7日に緊急事態宣言が出されました。

今日は4月21日ですので、

まる2週間が経ちます。

 

 

新規の感染者数は

横ばいになり始めている

ように見えますが、

全く安心はできません。

 

 

 

さて今回は、

 

新型コロナがさらに拡大したとき

果たして医院の運営をどうすべきか

 

についてお話したいと思います。

 

 

 

 

さて、皆さんは「BCP」という言葉を

ご存知でしょうか?

 

 

BCPとは

 

Business Continuity Plan

 

の略で日本語では

 

「事業継続計画」

 

と訳します。

 

 

正直なところ、

英語でも日本語でも

その意味がわかりにくいんですが、

要するに

 

 

「いざというときに会社の運営をどうすべきかを事前に決めておこう!」

 

 

というものです。

 

 

 

「いざというとき」

 

とは、例えば、

 

 

台風や地震などの自然災害。

 

 

 

また、医院の場合は

 

 

院長が怪我や病気で突然医院に来れなくなったら

というのもありますね。

 

 

 

そして、

今まさに直面している

新型コロナも

BCPの対象です。

 

 

 

人は、緊急事態に遭遇すると、

焦ってしまい

 

間違った判断をしがち

 

です。

 

 

また、

緊急事態に遭遇してからでは

 

 

間に合わない準備

 

 

もあります。

 

 

 

 

そう、今まだ通常診療ができているうちに、

「万が一の対応」をしっかり

考えておく必要があります。

 

 

そして、もう一つ大切なのが、

 

 

 

万が一の場合、

医院がどうなるのかを

 

 

 

スタッフにあらかじめ

しっかり説明しておくこと。

 

 

 

不安なのは先生だけではなく

スタッフも一緒です。

 

 

 

スタッフはこの苦境を

一緒に闘っていく仲間でもあります。

 

そんなスタッフの不安を

少しでも軽くしてあげるために、

 

この先に起こりうる事態に、

医院がどう対応するのか、

 

そして、

 

休まざるを得なくなったときの手当のルール

 

などをしっかり

説明してあげて下さい。

 

 

 

では、

具体的なケースと

基本的な考え方について

説明していきたいと思います。

 

 

いまからご紹介する

全てのケースについて

実際にどうするのかを

決めておきましょう。

 

 

 

 

ケース1:ドクター・スタッフが新型コロナウイルスに感染した

 

これはもはや言うまでもなく、

かかった本人は陰性になるまで休み。

 

 

そして、他のスタッフ・ドクターも

感染している可能性があるので、

最低でも最大潜伏期間と思われる

2週間は医院を休診

にするのが基本です。

 

 

 

またこの場合、

休診は不可抗力とみなされ、

感染した本人はもちろん、

その他のスタッフに対しても

休業手当を支払う義務はない

と思われます。

(正式にはケースによるので労基署に要確認)

 

 

ただし、スタッフにも生活がありますし、

この難局を乗り切る仲間でもあります。

 

 

もし、自分が感染したわけではないのに

休まざるを得なくなったスタッフに対しては

ここでご紹介するすべてのケースにおいて、

できれば休業手当を支給していただきたいです。

 

 

ちなみに、雇用調整助成金を使えば

休業手当の90%を補助してもらえます。

 

 

休業手当の計算や助成金に関しては

こちらの記事にまとめてありますので

ぜひご覧ください。

休業しても人件費は10%以下で済む?

 

 

 

 

ケース2:ドクター・スタッフの家族が感染した、あるいはドクター・スタッフが濃厚接触者になった場合

 

 

この場合、対応は2つに分かれます。

 

 

①本人だけ2週間休む

②病院自体2週間休む

 

 

一般の会社では

①が主流

のようです。

 

 

ただ、歯科の場合は

 

不特定多数が集まる場所あること

 

また、

 

飛沫等が飛びやすい

 

ことから

 

 

②の選択もあり得ます。

 

 

 

ここは判断が分かれるところなので

どちらにするか必ず決めておきましょう。

 

 

 

 

ケース3:ドクター・スタッフの「家族」が濃厚接触者になった場合

 

この場合は

 

 

本人だけ2週間休む

 

 

が妥当でしょうか。

ケースとしては十分あり得ますので

念の為ルールを決めておきましょう。

 

 

 

 

ケース4:新型コロナウイルスに感染している患者さんが来院していたと分かった場合

 

 

これは保健所の判断になるかと思います。

 

 

 

治療したオペレーターなどが

 

濃厚接触者

 

と判断されれば、

ケース2の内容に従うことになります。

 

 

 

ただし、

判明してから2週間休むのではなく

 

接触した日から2週間

 

でOKだと思います。

 

 

院内の消毒の必要性などは

保健所と相談ですね。

来院が何日も前なら

不要かもしれませんし。

 

 

 

 

そして最後に。

ケース5:患者数が減ってしまった場合

 

 

実は、皆さんにしっかり

考えておいていただきたいのが

このケースです。

 

 

なぜなら、

感染者がいるわけではないので、

 

 

先生の考え方次第

 

 

であること、

 

 

そして、それが

 

 

スタッフの生活にも

大きく影響する

 

 

からです。

 

 

 

その場になってからでなく

冷静な判断ができるうちに

決めておきましょう。

 

 

 

 

まず、患者数が減ったときの

選択肢としては、

 

 

1.スタッフを減らす

2.診療時間を短くする

3.休診する

 

 

この3つの組み合わせに

なると思います。

 

 

1日の患者数が
どれくらいになったら、
どのようにするのか?

 

 

その方針をあらかじめ

決めておきましょう。

 

 

 

ちなみに、私個人としては

 

 

1のみで対応。

 

すなわち、

 

 

 

スタッフを減らしつつ、細々とでも、普段と同じように医院は開けておく

 

ことを推奨したいと思います。

 

 

 

 

 

理由は2つ。

 

 

①かかりつけにしてくれている
患者さんに安心してもらうため

 

 

そして、

 

 

②医院を潰さない

 

 

ためです。

 

 

 

 

時短や休診をすることは、

 

その時間、その曜日でなければ

来れない患者さんを

排除することを意味します。

 

 

 

その結果、患者さんは

本当は行きたくない別の医院

に行かざるを得なくなる。

 

 

 

メインテナンスなら、多少延期しても

大きな問題はないかもしれません。

 

 

しかし、

 

 

激しく痛みがある患者さん、

 

 

あるいは

 

 

入れ歯が壊れ、

満足にものが食べられない

 

 

といったような患者さんには

コロナうんぬんではなく、

 

 

 

今すぐに皆さんが必要

 

 

なのです。

 

 

 

だからこそ

 

 

「あそこはいつも通りやっている」

 

 

この安心感を与えるためなら

1日たった5人しか来なくても

医院を開けておいていただきたいのです。

 

 

 

 

「それだけのためにスタッフにも来てもらうの?」

 

 

 

 

いいえ、

スタッフなんていなくても

いいじゃないですか!

 

 

 

 

最悪、先生1人で全部やればいいのです!

 

 

 

 

そして、

それだけ患者さんが少なければ

1人ずつしっかり感染予防対策もできて

感染リスクも最小限になります。

 

 

 

 

そして、患者さんがいない時間は

 

 

 

 

・新しい施術について学んだり、

・コロナ収束後の復活プランを考えたり、

・これからの人生について真剣に考えたり、

 

 

 

あるいは、

一人ぼっちなら

 

 

 

・こっそりパター練習!

 

 

 

でも構いません。

 

 

 

 

とにかく、

 

 

先生にはいつも通り
医院にいて頂きたい

 

のです。

 

 

 

 

そして、もう一つは経営上の問題です。

 

 

今この時点で休診や時短にしてしまい

もしこの先もっと感染が広がって

1年、2年と続いたらどうなるか?

 

 

 

「感染はさらに広がってますが、病院が潰れそうなのでやっぱり元に戻します!」

 

とはなかなか言いにくい。

ポリシーのブレに患者さんは敏感です。

 

 

そうこうしているうちに

復活への道が確実に遠のき、

最悪医院を潰すことにもなりかねません。

 

 

 

 

 

そして、人は

暇にしているとお金を使いたくなります。

 

 

 

そう、

無駄な消費をしないためにも
普段どおり仕事をするのです!

 

 

 

このように、経営において

休まない」ということは

 

もっとも単純で

もっとも効果的な戦略

 

なのです。

 

 

 

 

 

以上、

個人的な意見ですが

参考になれば幸いです。

 

感染拡大リスクがある中での

診療となりますので、

判断は慎重にお願いします。

 

 

 

 

 

というわけで

今回はだいぶ長くなりましたが、

ぜひケース1から5まで、

どうすべきかしっかり検討してください。

 

 

そして、冒頭でも書いたように

 

 

決定した内容をスタッフの皆さんに伝えること!

 

 

 

 

この危機的状況こそ、

 

皆さんがリーダーシップを発揮し

スタッフとの信頼関係を

再確認・再構築する

大きなチャンスです。

 

 

 

 

スタッフに安心感をもたらし

まだまだ続くであろうこの状況に

医院一丸となって立ち向かっていきましょう!

 

 

 

 

次回は

 

 

「患者が来なくなっても潰れない方法!」

 

 

についてご紹介したいと思います。

 

 

 

では!

 2020年4月21日 10時09分

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