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新型コロナ特例 休業しても人件費は10%以下で済む?

業績が悪化している医院が増えています。今後、非常事態宣言となれば、休業も視野に…。そんなときの基本対策について考えます。

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Written by
鶴岡 克人

 

※こちらの記事は2020年3月30日時点の情報です。最新の情報は↓
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/pageL07.html
よりご確認ください。

 
 
 
 

新型コロナウイルスの影響により、

都心部を中心に、

患者数が減っている医院が

非常に増えています。

(外出するところがないため、逆に患者さんが増えているという地域もあるようですが…)

 

 

 

この状況はおそらくまだまだ続きます。

志村けんさんの訃報を受け、

さらに自粛ムードは高まるでしょう。

(それにしても、ドリフ世代のわたしとしては、本当に残念で残念でなりません…)

 

 

 

また、海外では歯科医師・歯科衛生士が

エアロゾル・飛沫にさらされることから

感染リスクが最も高い職業とされており、

また、緊急を要する治療以外は

原則禁止になっているところもあるようです。

 

 

 

 

今はまだ大丈夫という先生も、

今後の様々な可能性を想定し、

前もって心構えと準備を

しておく必要があります。

 

 

 

特に「人」がメインの歯科医院では、

 

患者数が減り仕事量が減ってしまったら、スタッフをどうするか?

 

という点が最も重要になります。

 

 

そこで、ケース別に

考えていきましょう。

 

 

 

 

①休業やスタッフを休ませるほどではない場合

 

 

まず、患者さんは減っているが

当面は休業や出勤を控えてもらうほど

切迫していないという場合。

 

 

こうした医院は、

この機会に

 

トレーニングを行う

 

ことを強くおすすめします。

 

 

以下にあげている項目は

現代の歯科経営では

基本中の基本です。

 

これがしっかりできていない医院は、

今こそ追いつくチャンスです。

 

 

・待合室からユニットへの誘導

・ユニット上での治療説明

・オペレーターの挨拶・会話

・受付応対の改善

・初診カウンセリング

・補綴カウンセリング

・Pの啓発

 

 

これらは

いずれ景気が回復し

患者さんが戻ってきたときに

120%!絶対にプラスに働きます。

 

 

新型コロナのマイナス分を

 

最もてっとり早く取り戻すための

最も真っ当な時間の使い方です。

 

 

 

具体的な方法は

これまでセミナーにご参加

いただいた先生であれば簡単です。

 

資料を引っ張り出していただければ

マニュアルや配布物など、

必要なツールは揃っていますので、

いつもセミナーで申し上げている通り

 

「あとはやるだけ!」

 

です。

 

 

過去のセミナー資料はこちら

http://dentaloupe.jp/posiden/tool/seminer/

 

※資料のパスワードなど忘れてしまった場合は

dental@cranehill.net

または047-306-0381までご連絡ください。

 

 

 

 

②休業あるいは、スタッフを一部休ませる場合

 

患者数があまりに激減している、

あるいは資金面で厳しい場合は

医院自体を休業

もしくは、

一部スタッフに休んでもらう

という選択を取る必要があります。

 

 

 

問題は、人件費ですが、

病院が休むからと言って、

こちらの一存で勝手に給与を

カットすることはできません。

 

 

 

 

そこで、いくつかの対応が考えられます。

 

 

 

②-1:有休休暇をこの機会に取ってもらう

 

 

まずそもそもですが、

有休休暇を取らせることに

こちらからの強制力はありません。

 

 

 

ですので、スタッフとの合意が前提。

 

つまり、病院の都合ではなく、

あくまでも

「スタッフの意思でとった」

ということになりますので、

後々トラブルにならないよう

十分注意して運用してください。

 

 

 

 

②‐2:手当を払って休んでもらう

 

もちろん業績悪化を理由に

病院の都合で休んで

もらうことも可能です。

 

 

ただし、

その場合は

休業手当

支払う必要があります。

 

 

 

 

休業手当は法律では

 

「平均給与」の60%以上

 

とあります。

 

 

 

私も知らなかったのですが、

実は「平均給与」とは、

出勤日ベースではなく

 

休日も含めた平均

 

だそうです。

 

 

 

 

例えば20万円の給与で

1ヶ月に20日間労働だとすると

1日の平均は1万円のように思えます。

 

 

 

ところが、

「平均給与」の計算は休日も含めて

計算するのが正しい方法です。

 

 

 

実際には3ヶ月分で平均を出します。

 

 

上記のように仮に月給20万だとすると

それが3ヶ月分なので

給与

20万✕3ヶ月=60万円

 

これを3ヶ月=90日として計算すると、

 

60万 ÷ 90日 ≒ 6.666円

 

これが1日の平均給与です。

 

 

支払う休業手当は

この60%以上なので、

1日休んでもらう毎に

 

6.666円 ✕ 60% ≒ 3999円

 

 

 

ということになります。

 

思ったほどは、高くない!

 

ですよね。

 

 

とはいえ、

これは法律上の最低額です。

スタッフの生活もありますので

その辺りの配慮は

よろしくお願いします。

 

※平均給与は通勤・残業などの手当を含めて計算します

 

 

 

さらに、休業手当が助成される!?

 

実はこの休業手当ですが、

雇用調整助成金を使うと、

3分の2が助成されます。

※80%に引き上げられました。
さらに、解雇がない場合は90%助成されます。
(3月31日修正)

 

 

 

これはもともと存在する助成金ですが

今回の新型コロナウイルスの影響を受け

かなり要件が緩和されています。

 

 

 

たとえば、

基本は事前申請なのですが、

 

1月24日からの過去の分まで遡ることができ、

先は7月23日に休業初日を迎える分まで

と、かなり広くなっています。

 

 

その他、いろいろと

細かいことはありますが、

去年同月より

売上が10%以上下がっていれば
(1ヶ月分でよい)

概ね大丈夫そうな雰囲気です。


※10%→5%になりました。
(3月31日修正)

 

 

 

申請は5月末までですので、

まだまだ時間もありますね。


※6月末になりました(3月31日修正)

 

 

さらに、この助成額が

3分の2から80%に引き上げられる

という話も。(現在は北海道のみ)


※予想通り引き上げられました。
しかも、解雇がなければ90%助成されます(3月31日修正)

 

 

 

月給20万円のスタッフを

1日休んでもらった場合を

考えてみましょう。

 

 

 

まず、先程の計算通り、

支払う休業手当は1日につき

3999円。

 

 

さらにそのうち80%が

助成されると

自己負担分は20%になるので

1日およそ800円!

 

 

普段は

月給20万円の20日労働で

1日あたり1万円支払っていると考えると、

 

10%以下の金額で休ませることができる。

 

というわけです。

 

 

万が一の休業を考えた場合に、

一考の価値はあると思います。

 

 

 

ご興味を持たれた先生は

以下をご参照ください。

 

 

制度の概略はこちら(厚労省HP内)※3月31日の修正前

https://www.mhlw.go.jp/content/000612660.pdf

 

 

 

3月31日に発表された修正内容

https://www.mhlw.go.jp/content/000615395.pdf

 

 

 

言葉の意味などよくある質問はこちら(経産省HP内)

https://www.meti.go.jp/covid-19/pdf/faq4.pdf#search='%E9%9B%87%E7%94%A8%E8%AA%BF%E6%95%B4%E5%8A%A9%E6%88%90%E9%87%91'

 

 

申請書類など、最も詳細な資料はこちら(厚労省HP内)

https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11600000-Shokugyouanteikyoku/0000172253.pdf#search='%E9%9B%87%E7%94%A8%E8%AA%BF%E6%95%B4%E5%8A%A9%E6%88%90%E9%87%91%E3%82%AC%E3%82%A4%E3%83%89%E3%83%96%E3%83%83%E3%82%AF'

 

 

 

 

とはいえ、

実際に申請した経験がまだないので、

歯科でも適用可能かどうかなど、

正確な情報を社労士に確認中です。

ご利用の際は必ず各自で詳細を確認して下さい。

 

 

 

また、シーエイチアイでも

業績への影響がでていますので、

一部休業して雇用調整助成金を

申請してみようか検討中です。

 

 

その際は書類の書き方なども

併せてご紹介できればと

考えています。

 

 

 

 

また、助成金の他、

融資等についても
優遇策が発表されています。

 

新型コロナウイルスによる

中小企業への政府の支援策が
まとまっているページ

があるので、ぜひこちらもご参照ください。

 

経産省HP内

https://www.meti.go.jp/covid-19/index.html

 

 

 

 

 

厳しい状況は間違いなく

しばらく続きます。

 

もちろん私も経営者として

不安でいっぱいです。

 

 

とはいえ、

不安に思っているだけでは

自分の家族も

スタッフも守れません。

 

 

冒頭でも触れたように、

歯科治療が原則禁止に

なっている国もあります。

 

「最悪、患者数が半分以下になる!」

 

これぐらいの事態を想定し、

今できることを

しっかり確認・準備して

おきましょう。

 

 

ありきたりですが、

備えあれば憂いなし!

 

 

一番心を落ち着けてくれるのは

周到な準備

です。

 

 

ではまた!

 2020年3月30日 16時12分

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